2009年09月24日

2009年12月3日、「パワポケ12」発売。 [八]

20090923 パワポケ8.jpg※この文章は2006年5月に書かれたものです。ブログへの掲出も複数回目になります。写真と文章は関係ありますが、文中、説明はございません。

その会話に谷渕も口を挟む。

僕は、誰に世話になったかは覚えてるんですよ。若い頃、誰に育ててもらった、教えてもらったか、それは忘れませんて。

谷渕、遠山の二人からすれば藤岡は若い頃に世話になった大先輩なのだが、藤岡はそんなふうに言われても軽く受け流す。

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2009年09月23日

2009年12月3日、「パワポケ12」発売。 [七]

20090923 パワポケ7.jpg※この文章は2006年5月に書かれたものです。ブログへの掲出も複数回目になります。写真と文章は関係ありますが、文中、説明はございません。

やや神経質そうな風貌の山本だが、その言葉は「最も若く、最も最近参加した」という枕詞とは異なる自信を感じさせた。倉西も何かを感じ取ったのか、あまり多くを質問することなく、微笑んでいる。山本が席を立ち、四時間超に及んだ「パワポケ」スタッフ面談インタビューは終了した。

カメラマンが後片付けをする、その物音だけが会議室に響いていた。藤岡はすでに会議室を後にしていた。「おつかれさまでした」。小津が倉西に声をかける。「谷渕、まだぬけられないみたいなので、この後の会食でインタビューにしましょうか」。小津と担当編集者がこの後の段取りを確認する。インタビューを終えて、さすがに疲れを意識したのか、倉西は無言だった。メモを取ったiBookの画面を確認して、ゆっくりとふたを閉じ、カバンにしまい、「じゃあ、後で」、簡単に小津に声をかけて、倉西はパワプロプロダクションを後にした。

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2009年12月3日、「パワポケ12」発売。 [六]

20090922 パワポケ6.jpg※この文章は2006年5月に書かれたものです。ブログへの掲出も複数回目になります。写真と文章は関係ありますが、文中、説明はございません。

博多は入ってきたときと同じように勢いよく会議室を後にした。代わって入ってきたのはメインシナリオのプログラムを担当している岩崎。「パワポケ」に参加したのは「8」からだが、ゲームプログラムを職業にして20年という大ベテランは、他のスタッフとは違った視点で「パワポケ」を語りはじめた。

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2009年09月20日

2009年12月3日、「パワポケ12」発売。 [壱]

20090920 パワポケ1.jpg※この文章は2006年5月に書かれたものです。ブログへの掲出も複数回目になります。写真と文章は関係ありますが、文中、説明はございません。

いまだかつて、語られたことのなかった「パワポケ」を。

「パワプロクンポケット」。昨年冬には「8(はち)」を発売し、毎回30万本クラスのセールスを記録する長寿人気シリーズ。だが、そのゲーム内容は決して単純な「実況パワフルプロ野球の携帯ゲーム機版」ではない。「パワポケ」という名前は耳にしたことがあるゲームファンでも、そうカンチガイしている人は多いのではないだろうか。また、主にゲームボーイで展開してきたために低年齢層向けソフトだという誤解も受けやすい。だが、決してそうではない。「パワポケ」には、独自の、そう、宇宙がある。この企画は、そんな「パワポケ」と出会い、魅せられ、求める一人のゲーム雑誌編集者と、「パワポケ」の開発現場で実際に作業を進めている十人のスタッフとの対話をレポートするドキュメンタリィだ。「パワポケ」を探して……。古い映画のタイトルのように、電撃PlayStation編集長・倉西誠一は大阪行きの新幹線に乗り込んだ。(※以下、文中敬称略)

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2007年12月07日

【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第33回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認

※ジャケット画像はTSUTAYA onlineに掲出されているものです。
※この文章は電撃パワプロという増刊号のために書かれ、後にブログにアップされたものの再掲出になります。


倉西 様へ

お手紙ありがとうございました。先日の取材では、むしろ開発者全員が普通の人だったので失望させてしまったのではないかと思っていましたので、楽しんでいただけて幸いです。あいかわらず萩原さんがおいしいところを持っていったようですが。

さて、ギャグが受難の時代という話ですが、むしろ創作活動全体がつらい時代になりつつあるんじゃないかと思います。狭量な時代といいますか、ほんの些細な失敗も許されない、文句を言った者勝ちで、結果を出すことが要求されて冒険のできない空気になってきたように思います。もはや伝説になりつつありますが、「チェルノブ」というゲームの名前がチェルノブイリ発電所の事故と関係があるんじゃないかと尋ねられた社長が「カルノフの続編だからついた名前で、ただの偶然」と言い切れた時代はもう過去なのでしょう。今、同人誌専門店は非常に繁盛していますが、これも将来どうなることやら。実家の近所のJR高架下に、中古家電を扱う店がずらりと並んだ地帯がありました。今はシャッターの下りたゴーストタウンと化しています。先日話題になったPSE法の影響です。ネットや同人誌の世界も同様なことになりはしないかと、不安に思います。もちろん杞憂で終われば良いのですが、歴史を振り返ると、本当に「天」が落ちてきてしまったことは何度もあったことですし。

・・・話題を変えましょう。

倉西編集長のパワポケに期待することが「笑い」ということですが、それはこちらの意図していることと、ちょっとずれているかもしれません。パワポケの目的は感動する話なんですよ。いや、真面目な話。じゃあ、どうしてギャグを連発する形で話が進むのかというとギャグは短く作れるから、ということではないかと。泣ける話、悲しい話は状況があって、登場人物が確立されてはじめて成り立つんです。でも、笑いはそうじゃなくて、ものすごく短い話で笑える。怖い話は比較的短く作れるけど、それでも4コマ漫画やジョークのように短くはできない。短くしすぎると怖い話がギャグになる。「SAW」って映画があります。気がついたら脚が鎖で壁に繋がれてて、床に糸鋸が置いてある。助かるためには自分の足を切らなきゃいけない。怖い話ですよね。でも、同じネタでも古典的ジョークでは・・・

「奥さんの浮気相手が、帰ってきた主人に見つかって、殴り倒された。その男が目を覚ますと、自分の大事な部分(?)が鎖で壁に固定されていて 主人が目の前で包丁を研いでいる。『うわあ、お前それでなにをする気なんだ?!』『いや、これはお前さん用だよ。俺は外から家に火をつけるから。』」

ほら、ギャグになってしまっているでしょう?

話がちょっとずれましたけど、吉本新喜劇というのもそんな感じですよね。短い笑い、笑いでテンポよく話をすすめて、最後に感動させて「ああ、いい話やったな〜」ってお客さんに満足してもらう。印象に残ってるのは笑いの方だけど、それを一つにまとめるためには涙や苦しみがないとうまくいかない。だから、仕方なく笑いを・・・

すみません、やっぱり「笑い」は大好きです。仕方なく、なんてことはないですね。やっぱり、好きなように作ってます、パワポケ。

パワポケは複数の人間が好き勝手に自分の趣味を持ち込んで作っているようなところがあるので、とりとめのないところがあります。長々と書いてきたこの文章も、とりとめのないパワポケのようにゴチャゴチャしたものになってしまいましたが、そろそろまとめに入ります。次回作もがんばります。あんまり期待しないで楽しみにしておいてください。

パワポケシリーズ開発者
西川直樹

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
※「パワプロクンポケット」シリーズの公式サイトはこちらです。
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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第32回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認

※ジャケット画像はTSUTAYA onlineに掲出されているものです。
※この文章は電撃パワプロという増刊号のために書かれ、後にブログにアップされたものの再掲出になります。


西川 様

昨日は、短い時間ではありましたが、インタビュー取材に御対応いただき、ありがとうございました。全体としては約4時間、みっちりパワポケチームのみなさまとお話しさせていただいて、非常に楽しかったです。「僕の」パワポケは、ここから生まれているんだということが、強く実感されました。なんといいますか、ものすごいおもてなしを受けた気分です。

そうですね、確かに今、ギャグは受難の時代なのかもしれません。みんながみんな、1つ、あるいは数少ない価値観を共有しているような社会であれば、ギャグは成立しやすいですしね。「赤信号、みんなで渡ればこわくない」というだけでドッカンドッカン笑いがとれた牧歌的な時代が懐かしいです。赤信号で止まるヤツなんて、今どきいませんからね(車さえ来てなければ)。でも、そんな中で島津さんがお話ししてくださったことが印象に残ってもいます。パワポケをはじめてプレイした時に、「なんだ、これは!?」というショックを受けたというお話でした。僕もまったく同じなんです。パワポケは、完全に僕の想像の外からやってきた、まるで宇宙人のようなゲームソフトです。なんといいますか、たとえ赤信号でみんなが渡るような時代が来ても、パワポケの衝撃が薄れることはないと思います。吉本新喜劇で、おばぁちゃん役の桑名さんがばぁーっとアクションをやって、最後にぴょんっと飛んでちょこんっと正座する。あのタイミングで生まれる笑いには、時代性も社会性も地域性も関係ありません。たぶんクルド人でも笑えます。

一方、ゲーム業界は若い業界ですから、まだまだお約束が生きているのかもしれませんが、それでも昨今の市場を見るとユーザーの価値観の多様化は確実に進んでいます。そんな中で、これだけの衝撃を数多くのユーザーに与えることができるパワポケという存在は、大変貴重なものだと思います。ぜひそれを、次代のクリエイターのみなさんにもお伝えください。東京への帰路についた今の僕の心配は、昨日お会いしたみなさんが引退してしまったら、パワポケがなくなってしまうんじゃないかという、たいそう壮大なものですw いや、電撃PlayStation編集長なんて言ってますが、ただのファンなんでorz

また、昨日、萩原さんがおっしゃっていました。「野球帽をかぶったようわからんヤツがRPGをやる。それが普通に思える、普通のことに感じてもらえるようにならんとパワポケは広がっていかない気がする」と。僕も、そう思います。やっぱりパワポケはどっかおかしいんですよw でも、ハッともしました。2年前、自分で電撃PlayStationに書いたことを思い出しました。パワポケはパワプロのGBA/DS版ではないということです。パワプロクンとメガネの友だちが出てきて、なんかおもしろいことをやってくれれば、もしかしたら野球なんかやらなくてもパワポケは成立するんじゃないか。萩原さんは「もう野球帽も脱いで、なんかちゃらら〜んみたいな帽子にしたらえぇねん」とおっしゃっていましたが、僕はちょっと違うと思います。野球帽をかぶっていてもいいんです、バットもボールもグローブも持ってていいんです、ユニフォームを着ていても、野球チームの合宿所で暮らしていてもいいんですけど、ただ1つ、野球だけやらなければ……。どうも話が飛躍しました、すいません。僕がパワポケに期待することが野球ではなく、笑いであるということをお伝えしたかっただけです。失礼しました。西川さんは、どう思われますか? そういえば、あの2年前のインタビュー記事を書いて以来、僕は自分の雑誌に文章を書いていません。

長くなって申し訳ございませんが、最後に1つ。あの、大変申し上げにくいんですが、僕、自分の中で最高のパワポケはやっぱり「6」なんですね。はじめてプレイして、はじめて衝撃を受けた、その大きさ故だと思うのですが、そのことが少しだけ、ほんのちょっぴり、さびしくもあるんです。「7」「8」がおもしろくないという話じゃないですよ。「6」が最高だったということです。今、きっと次回作をお作りになっているんだと思うのですが、ぜひそれが僕にとって最高のパワポケになってくれることを期待しています。身をよじるような連続性のある笑い、ねばりの利いたネタ、呆れかえるほど大胆なストーリー展開、そして……ばったばったと……ていくキャラクターたち。思い出しただけで鳥肌が立ちますが、立ち切る前に笑いに変わります。

本当に長々と失礼いたしました。お身体、御自愛いただいて、これからも僕たちにパワポケを提供し続けてください。ありがとうございました。藤岡さんはじめ、チームのみなさんにも御礼、おつたえください。

2006年4月25日
72年前、吉本興業がはじめて新橋演舞場で興行し、東京進出を果たした今日という日に
電撃PlayStation
倉西誠一

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第31回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認

※ジャケット画像はTSUTAYA onlineに掲出されているものです。
※この文章は電撃パワプロという増刊号のために書かれ、後にブログにアップされたものの再掲出になります。


この企画の最後は、実は立案された当初から定められていた。取材を終えた倉西が帰りの新幹線の中で西川に手紙を書き、その手紙に西川からの返信をもらってしめるという流れだ。倉西は、この企画を通して徹頭徹尾、身体を使うことを意識していた。普段のようにiBookに向かって文章を書くだけで、ゲームについては誰よりも自信があるという言葉を操るだけで、「パワポケ」を語りたくはなかったのだろう。だからこそ、大阪から離れて東京という自分にとっての日常に帰ってしまうまでの中途半端な、どこか現実感を喪失した夢のような時間の中で手紙を書き上げようと考えたのだ。日常からズレたところに存在するお笑い。ゲームの常識的な見地からは、ズレたところに立ち位置を持つ「パワポケ」。この企画が、ゲーム雑誌としては常識はずれに長い文章を必要としたのも、そのためだ。
想像していたよりはあっさり、倉西は西川への手紙を書き終えた。西川からの返信は、6日後の夜遅くに届いた。

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第30回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認

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※この文章は電撃パワプロという増刊号のために書かれ、後にブログにアップされたものの再掲出になります。


日本のお笑いの歴史に残るゲームソフトがあるとしたら、
それは「パワポケ」だけなんじゃないかと思う。

翌朝、13時から会社で行われるミーティングに出席するために、倉西は9時過ぎにホテルを出た。時間がないため、行きとは違い、帰りはホテルからタクシーで新大阪駅に直行することにした。倉西は、窓の外の風景を食い入るように見つめている。「楽しかったなぁ、昨日なぁ」。新幹線の座席に身を沈めて、倉西は語りはじめた。

これは前から思ってたことなんだけどさ、日本の正当なお笑いの歴史に残るゲームソフトがあるとしたら、それは「パワポケ」だけなんじゃないかと思う。こう言い切るのも問題はあるんだろうし、お笑いの正当性という定義にも諸説あるんだけど、いつの時代にも人が求めてしまう、頼ってしまう物語とか、常識とか、そういうものをちゃかすことじゃないかと思うんだよね、お笑いの本質って。そして、そこにね、はっとするような心の動き、感覚が生まれる。感動っていうと大げさだけどさ。普通のゲームにはほとんどできていないそれを「パワポケ」だけはすんなりできている気がする。そりゃそうなのかもね、あのスタッフだもんね。笑いが日常の中にあるし、長いつきあいの中で信頼しあえるスタッフもいる……みたいな? まぁ、そんなこと言ってもあれなんだけどさぁ。

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
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全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第29回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
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(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認

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その会話に谷渕も口を挟む。

僕は、誰に世話になったかは覚えてるんですよ。若い頃、誰に育ててもらった、教えてもらったか、それは忘れませんて。

谷渕、遠山の二人からすれば藤岡は若い頃に世話になった大先輩なのだが、藤岡はそんなふうに言われても軽く受け流す。

え? なに言うてんの? 僕、最近はそんなに絵ぇも描いてないし、なんにもしてないよ。それは萩原も言うてましたやんねぇ。僕が絵を描かなくなったから、萩原が描いてるんですよ、彼女キャラとか。僕、女性キャラはもうおばちゃんしか描かへんから。それになぁ、チームをまとめる言うても、あの連中やろ? 僕、なんもせぇへんもん。

アルコールも入り、4人の勢いは衰えない。結局、酔う前に「パワポケ」の話をしましょうと言っておきながら、倉西の発言もどんどん「パワポケ」そのものからは離れていく。谷渕には「パワプロプロダクションについて」というテーマでインタビューをすることになっていたのだが、明確な答えを聞く前に取材を兼ねた会食はただの飲み会の様相を呈しはじめていた。ただ、彼らは今でこそ、「パワプロ」チーム、「パワポケ」チームに分かれてはいるが、常にお互いの様子を確かめながらそれぞれのタイトルを作り続けているということは会話の端々からうかがうことができた。「パワポケ」にとって「パワプロ」は必要な存在であり、「パワプロ」にとっても「パワポケ」は必要な存在なのだろうか。その関係性に確信は持てなかったが、この関西の子どもたちのつながりが、パワプロプロダクションの力の源なのだということは確かだ。

おい、もうレコーダー止めようや。もうえぇわ。

満足にインタビューもしないまま、編集長自らがオフレコを宣言した。大阪の夜は、かなりうるさく更けていった。

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第28回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認

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藤岡と小津、そして「パワプロ」のプロデューサーを務める遠山が座敷に上がってきた。谷渕はやはり遅れているらしい。遠山は、手慣れた様子で食べ物をオーダーし、焼きはじめる。藤岡も倉西もビールだが、倉西はぐでんぐでんになるまで飲む。藤岡は決してそこまでは飲まない。「改めて……」。倉西が切り出す。「今日は酔っぱらってしまう前に藤岡さんとパワポケの話しなきゃ」。藤岡が笑う。質問は同じだった。藤岡にとって「パワポケ」とは?

好きなようにやらせてもらってます。コナミという会社の中で、こんだけ好きなようにやらせてもらってるタイトルって他にあんのかなぁ、小島監督の「メタルギア」とかはわからないんですけど、「パワポケ」は本当に好きにやらせてもらってますねぇ。

藤岡は何が「パワポケ」なのかと特定するような答え方はしない。藤岡の答えは、ある種の空気を示している。藤岡にとって重要なのは、「パワポケ」が「パワポケ」であるということではなく、むしろ「パワポケ」チームが「パワポケ」チームであるということなのだろうか。面談インタビューで十人のスタッフのほぼ全員が口にした「企画が通る」「自由にやらせてもらえる」「妄想を具現化できる」、そういう空気を統括プロデューサーとして守りつつ、作品を仕上げていくことに藤岡は腐心しているのかもしれない。
インタビューを振り返りながら、倉西と藤岡の会話は続く。遅れて参加した谷渕に焼き上がった鶏肉を勧めながら、ふと、遠山が藤岡に話しかける。

藤岡さん、でも、よう絵ぇ描いてはりますよねぇ、忙しいのに。僕なんかさっぱりですわ、最近。

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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第27回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
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倉西が言いたいことはわかった。倉西が話した関西の子どもの土曜の午後には、そのまま「パワポケ」の基礎構成要素がまとまっている。笑いと野球。これに当時流行っていた特撮ネタ特有の感覚や、現在のネットを中心としたマニアックなブームを組み合わせると、「パワポケ」ができあがると言ってもいいかもしれない。だが、倉西はそんな批評家的な分析を否定する。

吉本新喜劇の本質は、おもしろうてどこか悲しいってことだと思うんだけどさ、あまり表面に出てくることではないけど、「パワポケ」をプレイしていると、花紀京さんって役者さんのことを思い出すんだよね。たいていストーリーの主軸からは離れたキャラクターを演じてるんだけどさ、近所のおっちゃんとか。たとえばね、頑固オヤジがやっているラーメン屋がある。そこの一人娘、看板娘が、ある日、一人の若者を連れてくる。「この人と結婚したいの」とか言うわけ、ベタな展開だから。でね、頑固オヤジは当然、反対するんだけど、岡八郎さんやいろんな人たちの協力があって、ラスト、二人の結婚を頑固オヤジも認めるんだよ。男手ひとつで育ててきたた娘の結婚だよ、ちょっと泣けるいいラストシーンでね、頑固オヤジは小汚いエプロンのポケットから封筒を取り出すわけ。娘が結婚する日のためにと、こつこつ貯めてきたお金だよ。二人の方が見ないでね、「これ、渡してやってくれ」と。で、それを受け取るのが花紀京さんでさぁ、指にツバつけてそれを数えて半分くらい抜いてから二人に渡すんだよね、「少ないけどな、これ、わしからの気持ちや」とか言って。なんでやねん! で、全員が突っ込んで、音楽が流れて、おしまい。かっこ悪いの、ベタなの。でもね、そのなんというかなぁ、みんながしんみりしてるところにちょっかいを出して笑いを生む感覚? わかる? それがね、「パワポケ」に通じるものがあると思うんだよね。

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第26回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
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土曜の午後は、道頓堀アワーに吉本新喜劇、
合計二時間、みっちりお笑いが放送されるんだよね。

会食場所である鶏料理の「とり藤」は、パワプロプロダクションからひと駅ほど歩いた福島駅のガード下にある。二年前、はじめて倉西がパワプロプロダクションを訪ねた時に偶然見つけた店だった。それ以来、パワプロプロダクション御用達の店になっていて、藤岡が描いたパワプロクンの色紙が、「大阪名物パチパチパンチ」で有名な吉本新喜劇の島木譲二の色紙と並んで飾られている。

西川さんが言ってたよね、関西の原風景って。商店街、住宅街、河原。「パワポケ」ってさ、やっぱり関西の子どもが作ってるゲームなんだよね。決して今の子どもじゃないのに、今の子どもたちにウケてるっていうのはスゴイ。これは極論かもしれないけど、関西の子どもはね、笑いの英才教育を受けるんだよ。土曜の午後は、道頓堀アワー(寄席中継)が一時間、吉本新喜劇が一時間、合計二時間、みっちりお笑いが放送されるんだよね。学校から急いで帰ってそれを見ながらお昼を食べて、でもって遊びに行く。そういえば夏といえば、なんであんなにそうめんだったんだろうとか思うけどね。で、遊びに行くっていっても今みたいにゲームがあったり何があったりってワケじゃないからさ、たいてい校庭で野球なんだよ。

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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第25回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認

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やや神経質そうな風貌の山本だが、その言葉は「最も若く、最も最近参加した」という枕詞とは異なる自信を感じさせた。倉西も何かを感じ取ったのか、あまり多くを質問することなく、微笑んでいる。山本が席を立ち、四時間超に及んだ「パワポケ」スタッフ面談インタビューは終了した。
カメラマンが後片付けをする、その物音だけが会議室に響いていた。藤岡はすでに会議室を後にしていた。「おつかれさまでした」。小津が倉西に声をかける。「谷渕、まだぬけられないみたいなので、この後の会食でインタビューにしましょうか」。小津と担当編集者がこの後の段取りを確認する。インタビューを終えて、さすがに疲れを意識したのか、倉西は無言だった。メモを取ったiBookの画面を確認して、ゆっくりとふたを閉じ、カバンにしまい、「じゃあ、後で」、簡単に小津に声をかけて、倉西はパワプロプロダクションを後にした。

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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第24回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認

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「それ、いいですよ、遊んでみたい!」。倉西はピンボールゲームも大好きだ。あまりの好きさ、思い入れが高じて開発に参加してしまったドリームキャストのピンボールゲーム「ネクロノミコン」には、スタッフとしてクレジットされている。「パワポケ」でピンボール。倉西にとってはこれ以上ないソフトになるに違いない。山本が続ける。

カード野球については、新しいものを作ることができたという満足感はありますが、完璧とは言えません。まだまだ足りない部分が多いです。ただ、特殊能力カードを積極的に使ってもらえればゲームにおもしろみが出ますし、投手/打者双方のカードがすべて見えますから、その部分の読みあいもおもしろくできたと思います。裏サクセスについても新しいことを試してみたかったので、自動生成型のダンジョンRPGを採用しました。アイテムの全種類コンプリートはかなり難度が高いと思いますから、ぜひ挑戦してみてください。
パワポケについてですか……そうですね、野球の入ったびっくり箱ですね。野球も入ってるんですけど、それがメインではなく、野球もいろいろある楽しみの一つに過ぎないという感じでしょうか。

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第23回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認

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「海鮮丼でもフグ入ってんねん」。藤岡が口を挟む。「海鮮丼やぁ、うわぁ、豪華やなぁ、フグ入ってるやぁんと思って食べたら、うわ! キモしか入ってへん!! とかなぁ」。島津も倉西も声を上げて笑う。たった一言で、そこに「パワポケ」の笑いが生まれる。フグのキモ入り海鮮丼を食べたらどうなるか? そんなことは誰も考えない。フグのキモ入り海鮮丼。その投げっぱなし感も、「パワポケ」の魅力の一つだ。
時計の針は17時半を回っていた。インタビュー開始から三時間半、いよいよ十人目、最後の一人が会議室に入ってきた。「ダッシュ」のカード野球と裏サクセスを担当した山本。彼は「ダッシュ」がはじめての「パワポケ」で、チーム内では最も若いスタッフだ。藤岡とともに「パワポケ」を作ってきた最古参の西川からはじまって、インタビューの最後は最近、チームに参加した最も若いスタッフ。藤岡はこの企画の意図を咀嚼し、インタビューを受けるスタッフの人選、コーディネイトを整えていた。

「パワポケ」はやっぱりすごい歴史のあるシリーズですし、毎回売れているタイトルでもあります。かなりプレッシャーは感じましたが、その歴史と伝統を生かしつつ、新たな流れというか、新しいものを作ってみたいとも思いました。それがカード野球です。何か新しいものを作るのならば、根幹にある野球部分から変えようと、「ダッシュ」チームで考えたんです。

「チーム言うてもなぁ」。藤岡が補足する。

チーム言うても、丸山君と山本君の二人に、僕がちょこちょこ手伝うような感じの三人なんです。今までの野球部分のプログラムを二人に渡しても、結局、自分たちが触ったことのないプログラムですから、把握するだけで時間がかかってしまう。それやったらイチから新しいもんを作った方が手っ取り早いんちゃうかという発想です。最初はピンボールにしたらえぇやんとか、無責任なこと言うてたなぁ。

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
※「パワプロクンポケット」シリーズの公式サイトはこちらです。
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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第22回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認

※ジャケット画像はTSUTAYA onlineに掲出されているものです。
※この文章は電撃パワプロという増刊号のために書かれ、後にブログにアップされたものの再掲出になります。


「6」までは年に一本というペースで発売されてきた「パワポケ」だが、最近では年に二本、三本と、ペースが上がってきている。そんな中で、岩崎のような経験豊富なプログラマーの参加は、チームにとって大きな意味を持っているに違いない。岩崎に続いて会議室に入ってきた島津もまた、最近チームに参加した3Dのグラフィッカーだ。GBAで展開してきた「パワポケ」には当然、3Dのグラフィックは入っていなかった。ハードがDSに変わったことでミニゲームや野球部分を3Dで描くことになり、島津が起用された。ハードが変わることで求められるものも変わり、チームに新たなメンバーが参加してくる。それでも、「パワポケ」の芯がぶれることは、もちろん、ない。

「パワポケ」は、僕のゲーム観を変えたタイトルです。こちらに配属されることになってはじめて「7」をプレイしたのですが、ショックでした。最初は「こんなゲームあるの?」という感じだったのですが、プレイを進めていくうちにドキッとしたり、ハッとさせられたりしました。藤岡さんが描いてくるイラストを見ると、低年齢向けなんだろうなと思うんですが、内容はどうしても違う。今、僕は遡って「6」の裏サクセス「しあわせ島編」をプレイしているんですが、あれ、ヤバイですよね? こんなん出していいの? という気がするネタもあります。
今、自分がスタッフの一人として3Dのグラフィックを担当させてもらっているのですが、正直、「パワポケ」には2Dのグラフィックでいってもらいたいと思うんです。ハードが変って3Dの比重は高くなっていくとは思うのですが、3Dは3Dでも、2Dっぽい手法を使っていこうと思っています。3Dであることを前面に押し出すようなグラフィックにはしたくないですね。
なんでしょうねぇ、僕にとっての「パワポケ」はごった煮とか、海鮮丼でしょうか。いろんなものが入っているという感じです。

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第21回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
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博多は入ってきたときと同じように勢いよく会議室を後にした。代わって入ってきたのはメインシナリオのプログラムを担当している岩崎。「パワポケ」に参加したのは「8」からだが、ゲームプログラムを職業にして20年という大ベテランは、他のスタッフとは違った視点で「パワポケ」を語りはじめた。

ゲーム開発は今や大チーム編成や分業化が進んでいて、極端なことを言うと自分が作っている部分が実際にゲームに組み込まれた時に、どう使われるのかわからないということもあるんです。そういう点では「パワポケ」チームは人数が少ないので、自分の仕事がどのようにゲームになっていくのかよくわかりますし、やりがいがあると言えると思います。わいわいがやがやとみんなで話をしながら進んでいって、いつまにかゲームができているという感じです。古い体質の開発チームですね。ゲーム開発は自己表現の場だと思っている僕にとっては、なじみやすいチームです。
チームに入るまでは「パワポケ」のことはよく知りませんでした。なんで野球ゲームにギャルゲーがくっついてるんだろうくらいに思ってましたが、実際に開発に関わってみると、スポーツの部分とヲタくさい部分が奇跡的に融合しているんですね。それには驚きました。バランスがとれているというか……たぶん藤岡や西川といった連中の芯がぶれてないんでしょうね。会議で起こった笑いを平気で仕様として取り入れていきますしね。
製品版をプレイして笑ってしまうことはありませんが、テスト中に笑うことはあります。本当はプログラムが正しく動作しているかどうか厳しくチェックしなければいけないのですが、いつの間にかゲームに引き込まれて笑ってしまっている。これも他のゲームを作っていた時にはなかった貴重な体験です。「パワポケ」に求めることですか? これはゲームに求めることではなくてチームに求めることなのですが、プログラムを組む力が足りないです。もうちょっとそれがあれば、よくなる部分もあると思いますよ。

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第20回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
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「おぉ」。倉西が小さく拍手した。「くるくるバキュ〜ン」はコナミの名作シューティングアクション「魂斗羅」のパロディだ。パロディというよりもそのものかもしれないが……。倉西はそのメガドライブ版「魂斗羅 ザ・ハードコア」のファンなので、「8」でも「くるくるバキュ〜ン」はすぐにパワポケポイントを使って手に入れていた。時間がない時は、それだけを遊ぶこともあるらしい。

僕自身はアクションゲームは苦手なんです。でも、「魂斗羅」だけは何故か印象に残っていて。難度が高いということもあるんでしょうけど、なんこう、自由が利かないイライラ感というか。その不自由な、昔ながらのアクションゲームというものを今のユーザーのみなさんに楽しんでもらいたくて、がんばって作りました。
「パワポケ」は僕にとって、妄想を具現化する場所なんです。なので、作っていてつらいなんてことは一切ないです。ほんとにつらくないんですよね、作っていることが。だから今もこっそり「あれ」を実現しようという目標があってがんばってます。実現できるかどうか、あとは藤岡さん次第です。
茜も、まわりからは好き嫌いが分かれるキャラだねと言われました。最初の出会いからかなりキテいて、あそこまで痛いキャラはシリーズを通しても他にいないんじゃないかと思ってます。最初からひたすら突っ走っていくだけ、突っ走りきる痛いキャラを作ろうと考えてました。ただ、何かインパクトがほしかったので、今流行の妹だ! と。その時点でできあがっていたようなものです。僕は自分のシナリオを製品版でプレイして笑うことがあるんですよ。茜もそうだったのですが「パワプロクン、セリフがくさいよ」とか、自分で作っておいてつっこみを入れたりしています。

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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第19回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
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「ダッシュ」ではじめてシナリオを書かせてもらったのですが、僕にとって「パワポケ」は自由に遊ばせてもらえる遊び場のようなものです。以前は他のタイトルの開発に関わっていたのですが、「パワポケ」チームでは今までやらせてもらえなかったようなことができますね。なんでもありですし、表現そのものについてもぎりぎりまで攻められるコンテンツです。そういう意味では、作り手の立場に立っても魅力あるものです。

「このゲームをプレイしてもらって、少しでも少年による凶悪犯罪が減ってくれればと思います」。冗談のようなメッセージを残して会議室を後にした丸山と入れ替わりで、勢いよく博多が入ってきた。「博多君は、茜を考えたスタッフです」。藤岡の紹介に倉西がはっとして顔を上げる。茜とは「8」に登場する彼女キャラで、公園に段ボールで家(アカネハウス11号)を造って住んでいる女子高生で、「8」の中では倉西が最も好きなキャラだ。

博多です、どうもこんにちは。なんか面談みたいであれですね。えぇ、今、藤岡さんが言った通り、茜は私が考えました。「8」では他にミニゲームの「くるくるバキュ〜ン」も入れてもらいました、はい、「魂斗羅」です。

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
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【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第18回

「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
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「ダッシュ」の狙いは明確です。年齢が上がってきてしまっていた「パワポケ」のファン層を、もう一度、低年齢に広げようということです。そのために、彼らが親近感を持つことができるリトルリーグを舞台に選びました。また、メッセージもなるべく難しい漢字は使わないようにしていますし、わかりにくい言い回しも避けています。ところどころ教訓めいた話も入ってますよね? 「いじめはいけません」とか、「動植物は大切にしましょう」とか。この物語を読んで、素直に感動してもらえたらなぁと思います。
何かのニュースで見たんですが、小学校高学年の子たちが「死んだ人は生き返るか?」という質問をされて、1/3くらいがYESと答えていたんですよ。これはあかんなと思いました。死んだら生き返ることなんてないんだよということをもっとちゃんと知ってもらいたいと思ってシナリオを書いたんですが、そのせいでちょっと暗めの話が多くなってしまいましたね。

確かに従来の「パワポケ」に比べれば、「ダッシュ」のシナリオ中で死んでいくキャラクターは少ない。だが、それだけで丸山の言葉を鵜呑みにすることはできない。シナリオ中に死んでいくキャラクターは少ないが、予め死んでいる(設定になっている)キャラクターは多い。その積み重ねがねじれた笑いになっていくのも、「ダッシュ」のシナリオの妙味だ。丸山は、確信犯だ。「パワポケ」自体、シリーズすべてを通して確信犯なのかもしれないが。
また、「パワポケ」にはパワポケポイントという仕様があり、それを消費して裏サクセスをはじめとする様々なお楽しみ要素を手に入れていくのだが、ポイントはサクセスで作った選手を「潰して」手に入れる。手塩にかけて育てた選手を失わなければ(選手登録をしないことが条件)、手に入れることができないのだ。「ダッシュ」のストーリーを待つまでもなく、「パワポケ」にはすでに特撮戦隊物のような独自の死生観が盛り込まれていた。

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