![]() | iPhoneアプリ勉強会第3回レポート記事 レポート記事その5はこちらです。 レポート記事その6はこちらです。 レポート記事その1はこちらです。 レポート記事その2はこちらです。 レポート記事その3はこちらです。 レポート記事その4はこちらです。 |
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●大辞林
廣瀬:続いては、大辞林についてです。大辞林は、iPhoneの発売から2か月後、2008年の9月から3か月間で開発しました。開発に取りかかる際に考えていたのは、iPhoneのライバルはなんだろう? ということでした。iPhoneのライバルは、いろいろと考えつくことができました。ガラケーと呼ばれる他のケータイ、携帯ゲーム機もそうでしょう。要は、他のプラットフォームということです。このアプリがあることで、それらを打ち負かすようなiPhoneアプリを作りたい、「iPhoneアプリって、こういうものだよね」と言えるようなアプリを作りたいという思いで、開発をはじめました。そのために必要なのは、iPhoneの強みを生かすことだとも考えました。
![[iPhoneアプリ勉強会]](http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/k/kararemichi/20100808/20100808200347.jpg)
iPhoneらしさとは、革新的なマルチタッチ、強力なグラフィックス、美しいタイポグラフィの表現です。
iPhoneで大辞林を出すということは、iPhoneで大辞林を引くことができるということではないはずです。それは、iPhoneらしさを生かしながら、大辞林というものを表現することなんです。また、大辞林という辞書コンテンツは、単なるデータではありません。このコンテンツは、いったいなんなんだろう? なんのために存在するのだろう? ということを、コンテンツと向きあう中で真剣に考えました。
大辞林とは、日本語を可能な限り集めて凝縮したものです。日本語の美しさ、奥行きを表現する書物なのです。これが、答えでした。その本来の輝きを失うことなくデジタルの世界で楽しめるようにすることが、開発の目標になりました。そのことをiPhoneで表現するために、縦書きにして、フォントも用意されているものではなく、ライセンスをとって、コンテンツにふさわしい美しいものにしました。その結果、大辞林はGOOD DESIGN2009にも選ばれましたし、第3回電子出版アワードで大賞とベンチャーマインド賞を受賞することができました。
電子辞書というと、ただ辞書をデジタルデータにしただけというものもありますが、大辞林では今までのデジタル化で取りこぼしていたものもしっかり入れることができたと思います。
●2つの考え ひとりひとりにひとつひとつのソフトウェア、レベニューシェア
廣瀬:さて、物書堂は辞書アプリを多く出していますが、どういう考えでコンテンツを選んでいるかをお話しします。一口に辞書と言ってもいろんな辞書がありますが、常に考えているのはニッチなものです。隙間を埋めていくような仕事を選んでいます。テーマは「ひとりひとりにひとつひとつのソフトウェア」ということです。今は、みんなが必要としている大きなニーズではなく、小さなニーズが無数にあるような状況なのではないでしょうか? ツイッターでちょっとした検索をしてみても、そういう状況がよく見えます。最大公約数ではなく、最小公倍数、ユーザーに「わたしにはこれが必要なの」と言ってもらえるようなコンテンツを選ばなければなりません。
また、物書堂のもう1つの重要な考え方に、レベニューシェアというものがあります。利益をちゃんと分けあうということです。辞書アプリで具体的に説明すると、まずその辞書を出している出版社にリクエストを出します。その際、自分たちはアプリに関してはすべてをコントロールしたいので、コンテンツだけ貸してくださいというお願いをします。自分たちでリスクをとって、自分たちの力を試したいからです。
![[iPhoneアプリ勉強会]](http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/k/kararemichi/20100808/20100808200348.jpg)
それもあって、出版社さんには十分な利益をお返しします。アプリ1本の価格のうち、30%は規定通り、Appleの取り分になり、コンテンツの分として45%を出版社さんにお渡ししています。物書堂は25%です。物書堂の25%は低いと感じる方もいるかもしれません。もっと低い料率でコンテンツを買い叩き、売り切り、逃げ切りでやっているアプリもあるでしょう。でも、それをやってしまうと、コンテンツの作り手に収益が入りません。収益が作り手に入っていかないと、絶対に回らなくなります。バカらしくて、誰もコンテンツを作らなくなってしまいます。物書堂が考える健全なサイクルは、アプリの収益は新しいコンテンツを想像するためのものだということです。
以上です。物書堂も、これからはリファレンスだけでなく、いろんなことに挑戦していきたいと思っていまして、もう一人入れて、三人になる予定です。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。
![[AppStore]](http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/k/kararemichi/20100805/20100805143631.png)
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