2010年08月08日

【iPhoneアプリ勉強会/第3回 3/6】講師:廣瀬則仁さん(物書堂/代表作:「大辞林」「ウィズダム英和・和英辞典」)

iPhoneアプリ勉強会第3回レポート記事
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ウィズダム英和・和英辞典 決して売れ続けていたわけではない

廣瀬:リリースされた(2008年)7月だけで、ウィズダム和英・和英辞典は5000本ダウンロードされました。まわりでは500本とか、せいぜい1000本ぐらい、2000本なんてあり得ないというような話をしていたので、この数字は大きなもので、あっという間にiPhoneではスタンダードの英和辞書になりました。

[iPhoneアプリ勉強会]

ウィズダム英和・和英辞典は成功しましたが、ただ、デベロッパーが増えないと市場はもりあがりません。そんなことを考えていたところで、ダイヤモンドオンラインが物書堂のことを記事にしてくれました。実にダイヤモンドらしい煽り方だと思うのですが、これもきっかけになったのか、デベロッパーはどっと増えました。

[iPhoneアプリ勉強会]

デベロッパーが増えた結果、いろいろなアプリが出て、iPhoneユーザーも増えましたが、競争も生まれました。ウィズダム英和・和英辞典の売上も下降の一途をたどっていきました。

[iPhoneアプリ勉強会]

[iPhoneアプリ勉強会]

これは1997年3月のものですが、以前、Appleがデベロッパーに配布していた冊子です。この冊子でPeter Bickfordという人が「Human Interface」というコラムを書いていました。当時、彼は、デベロッパーからの様々な相談に乗ってくれるという立場、仕事の人でした。彼が書いていた、こんな言葉も印象に残っています。

[iPhoneアプリ勉強会]

このコラムで、彼がくり返し書いていたのが「とにかく製品にはすばらしさが重要なのだ」ということでした。物書堂も、このことをアプリ開発における哲学に据えています。

(その考え方に従って、売上が落ちていた)ウィズダム和英・和英辞典を(辞書)コンテンツの魅力がキラキラ輝くようなアプリにしたいと考えて、もう一度、ウィズダム和英・和英辞典そのものと向きあってみました。結果、ウィズダム和英・和英辞典の他の辞書にはない強みは、用例の豊富さ、適切さにあると気がつきました。そこで、画期的な用例検索、単語をなぞってジャンプする機能等を加え、さらにレイアウトエンジンを一新してアップデートの準備を進めました。中でもレイアウトエンジンはOSの機能を使うものではなく、独自に開発しました。

[iPhoneアプリ勉強会]

このバージョン2.0のアップデートを無償で提供したところ、ウィズダム和英・和英辞典のダウンロード数はぐんっと復活しました。

[iPhoneアプリ勉強会]

ウィズダム和英・和英辞典はiPadへの対応についても、iPhone版とiPad版を別アプリにするのではなく、そのままの価格でユニバーサルアプリにしました。そこでまたダウンロード数をのばし、新しいお客さんを呼び込みました。

一度、ダウンロード数が沈んだからといって、それっきりではないんですね。ウィズダム和英・和英辞典の流れが、それを示しています。長い目で見て、まだまだ成長過程にあると思えるアプリなら、きちんと手をかけていけばアプリのダウンロードはのびます。今、お話ししてきたように、ウィズダム和英・和英辞典だって、ずっと売れ続けていたわけではないんです。よくそう言われますが。決して平坦な道のりではなかったわけです。

[AppStore]

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posted by 倉西誠一 @kararemichi at 21:06 | 石川 曇り | Comment(0) | TrackBack(0) | iPhone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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